チンチラ
チンチラの性質
チンチラはげっ歯目チンチラ科の哺乳類です。げっ歯目の特徴は歯が一生伸び続ける常生歯であることで、チンチラは切歯・臼歯ともに常生歯です。
基本的には好奇心が旺盛で学習能力が高く、コミュニケーションを取りやすい動物です。
薄明薄暮性に近い薄明性ですが、人と暮らすようになったチンチラは飼い主に活動時間を合わせることも多いです。視力はあまりよくありませんが、視野は広く270度くらいの動きを察知することができます。一方、聴力はとても発達しており、小さな音や遠くの音も聞き分けることができると言われています。
他のげっ歯類と比較し長生きの個体が多いのも特徴で、ギネスブックでのチンチラの最高齢の記録は29歳229日です。
チンチラの飼い方
高温多湿が苦手なチンチラの理想的な環境は、温度18~22℃、湿度40%以下です。個体差はありますので、日々よく観察して過ごしやすい環境に配慮してあげましょう。
ゲージ内での生活では運動不足や退屈を引き起こしてしまうため、いわゆる「へやんぽ」をしてあげることで、体を動かすことで骨や筋肉の成長を促し、精神的ストレスの解消をすることができます。ただし、へやんぽでは思わぬ事故が起こる可能性があるため、危険な場所に行けない対策をし、齧っては危険なものをなくし、目を離さないようにする必要があります。
- ケージ
最低でも「幅60cm×奥行45cm×高さ70cm」以上のサイズが必要です。より大きいものを選ぶときには高さよりも横幅が広くなるほうが理想です。チンチラは上に登ることはできても、下に降りることはあまり得意ではないためです。ステップやロフトを設置することにより、行動範囲が広がり、好奇心や退屈の解消と遊び場の提供ができます。設置した後には天井から見て、落下しそうな隙間がないか確認しましょう。
- 床材
床の素材は、網が一般的です。ただ、硬い金網の床では足を痛めたり、ソアホックを起こすリスクがあるため、マットを使用する場合もあります。
- 餌入れ・給水器
チンチラは激しく動いた際に、ものを蹴り飛ばしたり放り投げたりするため、できるだけ食器類は固定式のものをおすすめします。給水器もゲージに取り付けやすく、容量が適切な給水ボトルを選びましょう。
- 砂浴び・砂
砂浴びはチンチラにとって必須で、体についた目に見える汚れや目に見えない細菌などを落とし、皮膚や被毛の保湿のために毛穴から生まれる油(ラノリン)の過剰分をからめとることができます。容器は、チンチラが十分に回転できる大きさがあり簡単に倒れたりしないものを選びましょう。砂はチンチラ用の砂を使用しましょう。できるだけ粒子の細かいものがよいです。
- トイレ
チンチラは特定の場所をトイレと決める習性がありますが、必ずしも一か所でするわけではありません。それでもトイレにおしっこのにおいをつけておくと、比較的そこでしてくれる場合があります。
チンチラの食餌について
チンチラは野生下では主に植物の葉、樹皮や枝、根、花や実を食す草食動物です。また、チンチラは「食糞」を行います。主に未消化の栄養やたくさんの微生物が含まれた盲腸便を肛門に直接口をつけ摂取します。
飼育下のチンチラの主食は牧草です。副食としてペレットを与えます。牧草とペレットの割合は、牧草が8割以上、残り2割程度をペレットと目安にするとよいでしょう。栄養面上、おやつは本来与える必要はありません。コミュニケーションツールとして利用したりご褒美として与えるものとなります。
◇牧草
腸の微生物を元気に保ち、歯の伸びすぎを防ぐためには牧草が必要です。
1日に食べる量は体重の5%以上ですが、なにか理由がない限り無制限で問題ありません。一度にたくさんあげすぎると選り好みしやすくなったり、時間が経ち香りが弱ると食べなくなりやすいので、何回かに分けてこまめに追加する方がよいです。
◇ペレット
チンチラにとってペレットは、牧草だけでは不足している栄養分を補うための副食(補助食)です。ペレットは1日1~2回、体重の1~5%の量を与えましょう。肉付きや毛量、毛艶などの見た目や体重の増減をみて量を決定します。ペレットはチンチラ専用のものを選びます。
◇おやつ
ハーブや野草など植物の根や茎、葉や花を乾燥させたものや牧草を固めたもの、野菜や果物を乾燥させたもの、木の実や種などがあります。
おやつをたくさん与えてしまうと牧草やベレットを食べなくなってしまいます。特に味の濃いトリーツはその味の濃さが基準となり、それよりも味の薄いものを食べなくなる傾向があるため要注意です。
砂糖や油を使ったものや脂質の高いナッツやコーン類などはチンチラの身体には合いません。ドライフルーツや野菜で砂糖やオイルでコーティングされているもの、フライしてあるものはだめです。小動物用のクッキーなどでも砂糖が入っていたり小麦粉をたくさん使っているものもあるので、材料や成分をよく確認しましょう。
糖質が豊富な野菜や果物の与える量は小指の先くらいのサイズを1日1回です。
チンチラの病気について
◇不正咬合
上下臼歯のかみ合わせが悪くなったり歯根部に問題が生じると、歯の過長が生じて頬や舌を傷つけ、ごはんが食べられなくなることがあります。
チンチラの不正咬合はウサギやモルモットとは違い、う蝕ができやすいのが特徴です。う蝕とはいわゆる虫歯で、歯の一部が破壊されてしまうことです。様々な要因が可能性として考えられていますが、はっきりとした原因はわかっていません。う蝕の病巣が大きくなると痛みが出て、ごはんが食べられない、よだれが出るなどの症状を示します。う蝕があるかどうかはレントゲン検査で確認しますが、小さな病巣はレントゲン検査ではわからないこともあります。
歯の過長は全身麻酔下で歯を削ることで対処しますが、う蝕がある場合は歯を削ってもペレットを食べれない、よだれが止まらないということがあります。う蝕による痛みがある場合は、流動食を給餌したり鎮痛剤を使用し治療していきます。
◇胃腸うっ滞
不適切な食餌、さまざまな病気、疼痛やストレス、運動不足などによっても生じます。一度消化管うっ滞になると悪循環となり、さらなる食欲低下、消化管内ガス貯留による消化管の拡張および疼痛を引き起こします。
治療は対症治療としてプロバイオティクスの投与や輸液、消化管運動促進薬の投与などを行います。
◇皮膚糸状菌症
比較的よく遭遇する疾患であり、免疫力が低い若齢または高齢での発症が多く、症状がない個体でも5%が潜伏感染しているとされています。どの部位でも発症しますが、眼、鼻、耳など頭部から発症し、前肢や体躯に拡大することが多いです。人にも感染します。
典型的な症状は落屑を伴う脱毛であり、掻痒や紅斑を伴うこともあります。
治療は抗真菌薬の内服薬を用います。消毒液やシャンプーは被毛が非常に密なチンチラには向きません。他には飼育環境の掃除を心がけ、特に砂浴びの砂の交換を頻繁に行いましょう。
◇熱中症
28~30℃を超える環境や、特に湿度が高く換気が乏しい環境では熱中症に陥りやすいです。高体温になるとさまざまな臓器が障害を受け、それが持続すると多臓器不全に陥り、脳障害から神経症状を呈します。
軽度であればエアコンなどにより部屋を涼しくすることで対応できる場合はありますが、重症例は体を水道水で濡らし、扇風機などで送気して冷却します。このとき冷水や氷、アイスパックなどを使用してはいけません。ショックや脱水状態であれば、輸液などを行う必要があります。亡くなってしまう確率も高いです。
キャリー内は空気がこもりやすく、夏でなくても来院途中に熱中症になってしまう可能性があるので注意が必要です。移動時は、キャリー内に保冷剤を入れたり、なるべく涼しい方法で移動しましょう。
都島本通りどうぶつ病院
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