フェレット
フェレットの性質
フェレットは食肉目イタチ科に属する動物です。
フェレットは好奇心旺盛で、遊びが大好きで、人によく慣れてくれる子も多いです。活動時間以外はとにかくよく眠り、1日に18~20時間も眠ると言われています。原則的には夜行性で、暑さには弱い動物です。視覚はそれほどよくありませんが、嗅覚・聴覚は発達しています。
日本で流通しているフェレットは、海外のファーム(繁殖場)で繁殖されたものを輸入しているものがほとんどです。日本では最もなじみのあるマーシャル(アメリカ)をはじめ、カナディアン(カナダ)、パスバレー(アメリカ)など多くのファームがあります。ファームで臭腺除去手術と去勢/避妊手術をされて日本へやってきます。
フェレットの飼い方
大抵の場合、ひとの生活空間はフェレットを放し飼いにするには危険な場所です。十分な運動の機会を与え、ストレスを発散させ、飼い主さんとのスキンシップを楽しむためには、ゲージをフェレットの住まいとし、空間や時間を限って部屋で遊ばせるようにすることをおすすめします。
- ケージ
フェレットは安全に飛び降りる能力は持っていないため、高さよりも広い床面積を持つことを最優先として選びましょう。トイレ、寝床、食事場所などを分けることができ、おもちゃなどを配置してもフェレットが十分に動き回れる空間があるゲージが必要です。アメリカの本で推奨されているゲージサイズは幅60cm×奥行60cm×高さ40cmです。また、脱走の危険がないか、フェレットが体を引っかけそうな場所などがないかどうかもチェックしましょう。
寝床としてハンモックは定番です。タオルや毛布に潜り込むのを好むフェレットもいるので、好きな寝床を用意してあげましょう。布類を使う場合には、掘ったりかじったりして穴を開け、そこに潜り込もうとして引っかかる、かじったかすを飲み込んで消化管に詰まってしまう、縫い糸のほつれに爪をひっかけるといったことのないように注意が必要です。
- 床材
足をひっかける事故を防ぐため、ゲージの底の金網は外しましょう。そのままでは汚しやすいので、床敷きを敷くことをおすすめします。
ビニールカーペットやウレタンボード、コルクボードなどは好んでかじる子がいるので注意が必要です。
- 餌入れ
床に置くタイプと、ゲージの側面に取り付けるタイプがあります。
ひっくり返さず、浅すぎず深すぎない器を選んでください。
- 給水器
ゲージの側面に取り付ける給水ボトルをおすすめします。
給水ボトルをどうしても使ってくれない場合は、お皿で飲み水を与えます。ある程度深さがあり、十分な重さのある陶器製やステンレス製のお皿を使いましょう、水が汚れたらこまめに交換してください。
- トイレ
フェレット専用のトイレが市販されています。大きめのサイズの方が使いすいでしょう。
トイレ砂はフェレット用や猫用のトイレ砂を使用します。万が一、食べてしまっても危険のないもの、固まらないタイプのもの、粉っぽくないものを選びましょう。フェレットは猫と違って砂で便を隠そうとしないので、トイレ砂は薄めに敷いておけば十分です。
フェレットの食餌について
フェレットの消化管は、腸は短く、盲腸はなく、短時間で吸収できる肉食に順応しています。
動物性タンパク質と脂質を十分に含む食事が必要となります、炭水化物はそれほど必要としていません。
フェレットは消化時間が4時間ほどと短く食べたらすぐに排泄されるので、少量頻回の不断給餌をすることが普通です。
◇ペレット
かつてはキャットフードが代用されることがありましたが、現在ではフェレット専用フードが多く販売されています。フェレットに必要な原材料がすべて混ざっており、それによりバランスのとれた食事をとることができます。
◇おやつ
ジャーキーやグミタイプのおやつなどフェレット用のいろいろなおやつが売られています。野菜や果物はサイズによっては喉に詰まらせる危険や、消化不良を起こす可能性があるためで注意が必要です。
フェレットの病気について
昔から、インスリノーマ・リンパ腫・副腎疾患がフェレットの三大疾患として有名です。他にも、近年でてきた全身性コロナウイルス感染症や人との共通感染症であるインフルエンザもあります。異物を誤食してしまい腸閉塞を起こすこともよくあるので、日ごろから体調の変化を観察する必要があります。
◇インスリノーマ
膵臓のβ細胞の過形成や腫瘍により過剰なインスリン分泌が起こり、低血糖を起こします。中高齢の個体で好発しますが、病状には個体差があり、元気喪失、虚脱、放心状態、流涎や悪心、進行すると痙攣、発作、昏睡などの神経症状を呈します。
インスリノーマは通常悪性腫瘍です。転移することはあまりありませんが、手術しても再発の可能性があります。
治療は内科治療で低血糖を抑えるか、外科治療で腫瘍を切除するかです。手術することにより低血糖悪化を遅らせることができる可能性があります。
◇リンパ腫
全身のリンパ節、リンパ組織が腫瘍になる病気です。
若い個体によくみられる腫瘍ですが(生後4か月くらいでも起こります)、高齢の個体でもみられます。
元気・食欲がない、体重が減るといった非特異的な症状がみられます。ほかにもリンパ腫ができる場所による症状がみられます。若いと進行が早く、急激に衰弱することがあります。1歳を過ぎていると急激な症状の進行はなく、非特異的症状が慢性的にみられます。
治療は抗がん剤による化学治療を行います。
◇副腎疾患
ホルモンを分泌する副腎に腫瘍ができると、性ホルモンが過剰に分泌され、さまざまな問題が起こります。
副腎腫瘍は、中年期を過ぎると多くなります。良性が多く、転移しにくい腫瘍です。
症状は尾の根本からはじまる脱毛が多いです。全身に広がったり、かゆみがあることもあります。オスの場合は、前立腺が尿道に影響し排尿しにくくなることがあります。
治療は過剰なホルモンを抑制する注射や外科手術になります。
◇アリューシャン病
パルボウイルスの感染によって起こる病気です。
ウイルスは肝臓や腎臓、脊椎、消化管などに感染しますが、フェレットに感染したとしても重篤な症状を示さないことが多いようです。感染しているフェレットの排泄物や唾液などを介して感染します。
あまりはっきりとした症状はなく、慢性的な経過をたどります。
ワクチンもありませんし、特別な治療法もありません。体力低下を防ぐため強制給餌をするなど、症状に応じた治療を行います。
◇全身性コロナウイルス感染症
フェレットの新興感染症で、2006年に報告され日本国内でも2010年に初めて報告されました。原因ウイルスはフェレット全身性コロナウイルスで、これはフェレットに主に消化器症状を引き起こすフェレット腸コロナウイルスの変異体であると考えられています。
病態は猫伝染性腹膜炎(FIP)と類似しており、さまざまな臓器での化膿性肉芽腫を形成します。診断はそれらの病理組織学的検査やPCR検査です。
以前は多くの症例が診断後数か月以内に死亡していましたが、最近ではFIPの治療薬で良い治療反応が得られるという報告が出てきています。
フェレットの予防について
◇フィラリア予防
蚊が媒介する犬の病気としてよく知られていますが、フェレットでも起こる病気です。
フィラリアの小虫(ミクロフィラリア)が蚊を介して動物の体内に入り込み、成虫になります。小さな心臓のフェレットにとってフィラリアの成虫が1~2匹程度でも寄生すれば命取りになります。
発症してからの治療は困難ですが、十分に予防することができる病気です。
犬の場合、すでに成虫がいる場合に予防薬を飲ませると危険なので、投薬前に検査をして寄生がないのを確かめるのが一般的ですが、フェレットの場合には1匹でも寄生していれば臨床症状から判断できることが多いため、検査せずに予防薬を飲ませることが多いです。
予防は、蚊から感染した場合に影響を受ける期間(大阪では4~12月)に月に1度ミクロフィラリアを駆虫する効果のある予防薬を投与します。
◇ワクチン(犬ジステンパー)
犬ジステンパーウイルスの感染によって起こる病気です。イヌ科、イタチ科、アライグマ科の動物に感染することが知られています。感染したフェレットの致死率はほぼ100%といわれています。感染経路はくしゃみや咳による飛沫感染が多く、ほかに目や耳からの分泌物、排泄物、皮膚の接触でも感染します。
症状は唇や顎に発疹ができ、腫れて硬くなったり、肉球が硬くなります。肛門や鼠径部の皮膚炎もみられます。ほかには、元気・食欲がなくなる、発熱、まぶしがる、瞼の痙攣、粘度の高い目ヤニや鼻水などがみられ、進行すると咳が出るようになります。
有効な治療方法はなく、対症治療が中心となります。
ワクチン接種をするのが最大の予防策です。自分のフェレットを守るためだけでなく、ほかのフェレットに感染させないための方法でもあります。
都島本通りどうぶつ病院
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